飲食店承継で最も避けたいのは、譲渡契約は成立したのに、翌日から店を開けられない状態です。食品営業の地位、賃貸借、厨房設備、深夜営業、消防、従業員、仕入、予約・前受金、決済のうち一つでも切れれば、顧客へ約束した営業を続けられません。
食品営業については、2023年12月13日から事業譲渡による地位承継制度が施行されています。渋谷区の新制度の地位承継案内は2026年8月7日更新と表示され、事業譲渡予定時の事前相談や必要書類を案内しています。本稿は2026年8月22日確認の情報であり、契約・開店時には最新ページと店舗条件を確認します。
本稿では、一般的な店舗売却資料を繰り返さず、渋谷の飲食店が営業を止めないための『権利と運営の同時切替』に焦点を当てます。道玄坂、宇田川町、神泉、渋谷駅周辺などの地名だけで価値を説明せず、賃貸借、営業時間、設備、客層、曜日時間帯別収益という検証可能な資料で地域性を示します。
最初の結論:クロージング日ではなく営業可能日から逆算する
飲食店承継の工程は、株式や資産の移転日だけで作りません。ランチ、ディナー、深夜帯、テイクアウト、デリバリーなど、どの営業を何月何日何時から新体制で行うかを決め、その時点で必要な許可・届出、貸主承諾、人員、設備、仕入、決済、予約表示を逆算します。
『書類を提出した』『貸主へ話した』『スタッフへ伝えた』は中間状態です。受付・承諾・検査・契約発効・本人同意・テスト完了のどこまで必要かをゲートごとに定めます。未達時には、開店延期、営業時間短縮、メニュー限定、デリバリー停止などの代替営業を事前に設計します。
M&A一般の入口は渋谷区のM&A相談・会社売却ガイド、売り手向けの整理は渋谷でM&A・会社売却をご検討の方へ、全体工程はM&Aの流れ、概算価値を検討する入口は企業価値診断を参照してください。本稿はその上で、飲食店固有の営業継続へ絞ります。
店舗を売るか未定の段階で営業ゲートを整理したい方は譲渡企業向けの相談窓口を確認してください。一方、渋谷で飲食事業の承継先を探す企業は買い手企業向け登録窓口から相談できます。許可証、従業員名簿、予約顧客情報などは機微性が高いため、安全な開示方法を合意してから共有します。
目次
飲食店承継:渋谷の飲食店M&Aで株式譲渡と事業譲渡を営業継続から比較する
株式譲渡では法人が同一でも、契約の変更支配、代表者・屋号・食品衛生責任者、消防計画、決済・プラットフォームの届出確認が残ります。そのため、事業譲渡では対象資産・契約を選べる一方、賃貸借、従業員、前受金、各種手続を個別に切り替える必要があります。
1. 飲食店承継の現場で集める事実と証拠
比較表の縦軸は税負担だけでなく、店舗を使える権利、食品を提供できる行政上の地位、人員、厨房設備、予約・決済、仕入を置きます。また、横軸に必要同意、申請・届出、所要期間、営業空白、戻し方を記載し、一番遅い項目をクロージング日程の基準にします。
1. Day1の営業ゲートへ変換する
候補スキームが決まったら、法人、営業所、許可、賃貸借、設備所有者、雇用主、決済加盟店が取引前後で誰になるかを一枚の『Day1営業主体図』にします。一方、担当者名ではなく契約・届出上の主体で書くことが重要です。
1. 契約前に残す注意書き
『株式譲渡なら何も変わらない』『事業譲渡なら許可は必ず取り直し』という一律説明は避けます。たとえば、実際の変更、契約、施設、取引日を示して所管と専門家へ確認します。
飲食店承継:食品営業の事業譲渡による地位承継を2023年12月施行制度から読む
2023年12月13日から、食品衛生法上の許可営業・届出営業について、事業譲渡により営業者の地位を承継する制度が施行されています。ただし、厚生労働省資料は、従来の新規許可取得等に代えて届出による承継となる枠組みを説明しています。
2. 飲食店承継の現場で集める事実と証拠
ただし、制度があることと、どの譲渡・施設変更でも届出だけで足りることは同義ではありません。さらに、営業の同一性、譲渡範囲、許可業種、施設・設備変更、旧制度・新制度、譲渡契約日を整理し、渋谷区保健所へ事前相談します。
2. Day1の営業ゲートへ変換する
相談用一枚紙には、現営業者・譲受人、法人番号、施設所在地、屋号、許可番号・許可日・有効期限、営業種類、譲渡日、改装、人員変更、メニュー変更を記載します。そこで、譲渡契約書案の対象事業と施設も一致させます。
2. 契約前に残す注意書き
渋谷区案内は事業譲渡予定がある場合の事前相談を求め、営業許可では承継後の業務状況について保健所の調査が行われる旨を示しています。なお、契約締結後に初めて相談する工程にしません。
飲食店承継:許可番号・制度区分・業種・有効期限を店舗別台帳へ集める
つまり、同じ店内で飲食提供、テイクアウト、菓子製造、食肉・魚介類販売、催事、別倉庫、キッチンカーを行う場合、必要な許可・届出と所管が一枚の許可証だけでは表せないことがあります。
3. 飲食店承継の現場で集める事実と証拠
台帳には、施設、営業行為、許可・届出名、名義人、番号、許可日、期限、更新、図面、食品衛生責任者、申請方法、原本所在を記載します。次に、Webメニュー、デリバリー画面、仕入・製造記録と照らし、低売上の副業態も漏らしません。
3. Day1の営業ゲートへ変換する
新制度と旧制度の区分は許可日・番号で確認し、適用する渋谷区の案内を分けます。そのため、地位承継後に屋号、責任者、設備等の変更届が重なる場合、提出順と必要書類を保健所へ確認します。
3. 契約前に残す注意書き
許可証の写真があるだけでは現況一致を証明できません。また、許可範囲、設備図面、実際の営業、過去の変更届、行政指導・事故履歴をセットで見ます。
飲食店承継:HACCPに沿った衛生管理を人・手順・記録として承継する
営業者の地位が承継できても、衛生管理の責任者、仕入・温度・清掃・検便・苦情・回収記録が失われれば、実務は継続しません。一方、紙、チャット、クラウドに分散する手順を営業所単位で集めます。
4. 飲食店承継の現場で集める事実と証拠
衛生計画、一般衛生管理、重要管理点、記録様式、教育、アレルゲン、異物・食中毒対応、害虫、廃棄物、設備保守を確認します。たとえば、例外記録を母集団にし、空欄が多い期間、責任者交代、繁忙期の逸脱を調べます。
4. Day1の営業ゲートへ変換する
Day1までに食品衛生責任者、代行者、緊急連絡、記録保存先、鍵・アカウント、仕入先連絡を引き継ぎます。ただし、買い手様式へ即日統一せず、一定期間は旧様式と新様式を対応表で結びます。
4. 契約前に残す注意書き
衛生記録が整っていることを、事故が一度もなかった証明として扱いません。さらに、行政照会、顧客苦情、保険請求、返金、廃棄、社内報告も照合します。
飲食店承継:賃貸借の譲渡・転貸・変更支配・定期借家を条項から工程化する
店舗価値が高くても、同じ場所を同じ条件で使えなければ取引前提が崩れます。そこで、契約名義、期間、更新、定期建物賃貸借、賃料改定、保証金、原状回復、用途、譲渡・転貸、変更支配、連帯保証を確認します。
5. 飲食店承継の現場で集める事実と証拠
原契約だけでなく、覚書、館内規則、工事区分、貸主承諾、保証会社、管理会社通知を集めます。なお、賃料の支払実績と契約額、保証金残高、滞納、更新交渉、再開発・建替・明渡し協議を経営者ヒアリングと外部資料で突合します。
5. Day1の営業ゲートへ変換する
貸主へ説明する主体、時期、資料、候補先情報、承諾条件、保証金・保証人変更を決めます。つまり、承諾前に譲渡を既成事実として伝えず、秘密保持と契約上の通知義務を弁護士と設計します。
5. 契約前に残す注意書き
事業譲渡契約を締結しても賃貸借が当然に移るとは限りません。次に、一方、株式譲渡でも契約の変更支配・代表者保証等に対応が必要な場合があります。個別条項と貸主判断を確認します。

飲食店承継:厨房・造作・空調・排気を所有者と撤去責任で色分けする
居抜き店舗では、床・壁・カウンター、厨房機器、ダクト、空調、看板、POS、冷蔵庫、食洗機が、売り手所有、貸主所有、リース、レンタル、前テナント残置に分かれます。そのため、見た目だけでは譲渡対象を判断できません。
6. 飲食店承継の現場で集める事実と証拠
固定資産台帳、請求書、リース契約、工事見積、賃貸借の造作条項、保守記録、写真へ資産番号を付けます。また、簿価と使用価値を分け、故障、法定点検、修繕予定、撤去・原状回復費を確認します。
6. Day1の営業ゲートへ変換する
クロージング時に現物確認を行い、数量、型番、状態、鍵、保証書、保守先を引渡確認書へ記録します。一方、リース会社・保守会社の承諾や契約切替が必要なら、営業継続日に間に合うよう前提条件へ置きます。
6. 契約前に残す注意書き
造作一式という曖昧な表現で、貸主資産や第三者所有物まで売買しません。たとえば、譲渡できない設備が中核工程にある場合、代替調達・暫定使用の可否を契約前に決めます。
飲食店承継:深夜酒類提供と風営法上の営業類型を分けて確認する
深夜に酒類を提供する営業、接待を伴う営業、特定遊興飲食店営業などは同じ手続ではありません。ただし、現在の営業時間、酒類売上、接客方法、音響・照明、客の遊興、営業地域を事実から整理します。
7. 飲食店承継の現場で集める事実と証拠
警視庁は深夜における酒類提供飲食店営業の営業開始・変更・廃止の様式を公開しています。さらに、様式の存在だけで該当性や承継可否を判断せず、取引前後の営業方法、法人・代表者・店舗情報を示して管轄警察署や専門家へ確認します。
7. Day1の営業ゲートへ変換する
Day1に深夜営業を続ける必要があるか、昼夜で段階オープンできるかを決めます。そこで、必要手続が間に合わない場合の売上影響、人員シフト、予約停止、顧客告知を事業計画へ反映します。
7. 契約前に残す注意書き
『居酒屋だから深夜酒類届だけ』『ライブやDJがあるから直ちに特定遊興』という自己判定は危険です。なお、営業実態、地域、構造を示して個別確認します。
飲食店承継:消防の使用開始・工事・防火管理をクロージング工程へ入れる
東京消防庁は、防火対象物の一部を新たに使用する場合、使用開始の7日前までの届出を案内し、工事や用途変更に関する届出も説明しています。つまり、居抜きで工事が小さいから消防確認が不要とは限りません。
8. 飲食店承継の現場で集める事実と証拠
収容人員、用途、建物全体、避難経路、内装、厨房火気、ガス、消火・警報・誘導設備、防火管理者、消防計画、点検報告を確認します。次に、売り手の届出控えと現況図面が一致するか現地で見ます。
8. Day1の営業ゲートへ変換する
改装案は譲渡後に初めて消防へ見せず、工事区分、着工、使用開始、検査、営業開始を一つの工程にします。そのため、防火管理者の選任・解任や消防計画変更も、人の退職日と同期させます。
8. 契約前に残す注意書き
消防手続の要否・期限は建物・工事・用途・設備で変わり得ます。また、本稿の7日前という案内は東京消防庁公開ページの一般説明であり、個別店舗の完全な手続一覧ではありません。
飲食店承継:渋谷区の特定商業施設立地調整を規模・時間・用途から確認する
渋谷区は、一定規模を超え深夜帯に営業する小売店、飲食店等について特定商業施設の立地調整を案内しています。一方、すべての飲食店へ適用されると決めつけず、店舗面積、営業時間、用途、既存届出を確認します。
9. 飲食店承継の現場で集める事実と証拠
売場・客席・バックヤード等の面積根拠、建築図面、営業時間、騒音・照明・廃棄物・来客導線、近隣対応履歴を集めます。たとえば、変更後のコンセプトで基準該当性が変わる可能性も所管へ相談します。
9. Day1の営業ゲートへ変換する
既存営業の名義変更だけで済むのか、営業時間や用途変更に追加手続があるのかを、譲渡スキームと改装計画を示して確認します。ただし、近隣説明を法定手続の有無だけで判断せず、苦情履歴と運営上の約束を引き継ぎます。
9. 契約前に残す注意書き
地域固有の制度は更新される可能性があります。さらに、掲載閾値や様式を本文へ固定的に写すより、公式ページの最新版と店舗条件を照合する運用にします。
飲食店承継:店長・料理人・アルバイトの雇用承継を同意と説明順で設計する
株式譲渡では雇用主法人が同じでも、経営方針、賃金、勤務地、シフト、評価、福利厚生の変更が離職を招きます。そこで、事業譲渡で労働契約を移す場合は、厚生労働省の事業譲渡等指針が示す個別承諾と十分な説明を踏まえます。
10. 飲食店承継の現場で集める事実と証拠
雇用形態、在籍、役割、賃金、残業、有休、社会保険、外国人雇用、資格、兼業、退職予定、労使協定を一覧にします。なお、名簿だけでなく、曜日・時間帯別の必要人数とスキルを配置表へ落とします。
10. Day1の営業ゲートへ変換する
誰にいつ知らせるかは、秘密保持、シフト確保、本人の検討時間、労働組合・過半数代表との関係を踏まえます。つまり、説明資料に譲受会社、仕事、勤務地、労働条件、開始日、相談窓口、同意しない場合の扱いを明確にします。
10. 契約前に残す注意書き
同意を得るために不利益や退職を示唆しません。次に、個別の労働条件変更、雇用承継、解雇、外国人在留資格等は、社会保険労務士・弁護士・所管へ確認します。
飲食店承継:予約・デポジット・コース前受・回数券・ポイントを切替日に数える
売上として見える入金の一部は、将来の料理・席・返金を伴う義務です。そのため、予約金、キャンセル料、コース前受、貸切、ケータリング、回数券、商品券、ポイント、クラウドファンディング特典を種類別に棚卸しします。
11. 飲食店承継の現場で集める事実と証拠
基準日時点の未消化件数・金額、利用期限、返金条件、顧客、提供原価、決済手数料、プラットフォーム保留金を抽出します。また、会計残高と予約システム・決済管理画面を照合し、簿外の手書き予約も確認します。
11. Day1の営業ゲートへ変換する
誰が売上を受け取り、誰がサービスを提供し、取消・返金を負担するかを最終契約へ記載します。一方、クロージング前後の予約受付停止、在庫・席の引継ぎ、顧客通知、問い合わせ窓口を時間単位で決めます。
11. 契約前に残す注意書き
前受金を現金と同額の自由資金として扱いません。たとえば、資金決済法その他の該当性は発行形態等で変わるため、券・ポイントの仕組みを示して弁護士等へ確認します。

飲食店承継:POS・予約・デリバリー・決済・口コミを契約と運用に分ける
店舗のデジタル導線は一つのアカウントではありません。ただし、POS、予約、デリバリー、カード・QR決済、Wi-Fi、電話、ドメイン、メール、地図・口コミ、SNS、音楽配信が相互に売上と顧客対応を支えます。
12. 飲食店承継の現場で集める事実と証拠
サービスごとに契約名義、管理者、二要素認証、回復先、料金、入金口座、データ出力、解約、譲渡・変更手続、端末所有を台帳化します。さらに、利用規約は法令と別の層として確認し、ログイン情報の手渡しだけで移管完了としません。
12. Day1の営業ゲートへ変換する
決済の審査・口座変更、予約枠、メニュー・価格、営業時間、注文タブレット、プリンタ、キッチン表示をテストします。そこで、切替直前にテスト注文と返金を行い、二重予約・二重請求・旧口座入金の対応者を決めます。
12. 契約前に残す注意書き
口コミ評価やSNSフォロワーを会社が自由に売買できる資産と断定しません。なお、プラットフォーム規約、名義、本人・顧客情報、実際の変更手続をサービス運営者へ確認します。
飲食店承継:屋号・メニュー・写真・レシピ・BGMの使える範囲を確認する
看板に店名がある、メニュー写真をSNSで使っている、レシピが厨房にあるという事実だけでは、商標・著作権・契約上の利用範囲を証明できません。つまり、制作会社、写真家、デザイナー、元従業員、フランチャイズ本部との関係を追います。
13. 飲食店承継の現場で集める事実と証拠
屋号、ロゴ、ドメイン、写真、文章、動画、メニュー表、レシピ、制服、内装デザイン、音楽について作成者、発注、対価、契約、登録、利用媒体・期間、改変、第三者素材を記録します。次に、実務上のノウハウと法的権利を同じ欄にしません。
13. Day1の営業ゲートへ変換する
譲渡対象、利用許諾、追加同意、クレジット、旧会社による使用停止を最終契約と引渡リストへ反映します。そのため、BGM・映像・写真は店内利用、広告、Web、デリバリー画面で条件が異なり得るため媒体別に確認します。
13. 契約前に残す注意書き
一般名称に近い屋号や未登録商標でも、第三者権利・不正競争等の確認が不要になるわけではありません。また、弁理士・弁護士等へ調査範囲を相談します。
飲食店承継:仕入・酒販・廃棄物・清掃・リネン・保守の停止点を探す
一方、主要食材だけを引き継いでも、酒類、氷、ガス、廃油・廃棄物、グリストラップ、害虫、清掃、リネン、包材、予約電話、設備保守が止まれば営業品質は維持できません。
14. 飲食店承継の現場で集める事実と証拠
取引先ごとに品目、発注方法、締支払、最低ロット、貸与物、保証金、名義変更、解約、滞納、リベート、緊急連絡をまとめます。たとえば、請求書だけでなく発注履歴と現場ヒアリングから、口約束・個人携帯依存を見つけます。
14. Day1の営業ゲートへ変換する
クロージング前に、継続、再契約、代替調達、一時在庫のどれでつなぐか決めます。ただし、仕入先へ伝える時期を店長任せにせず、秘密保持と与信審査の日数を見込んで責任者を置きます。
14. 契約前に残す注意書き
同じ仕入価格が継続するとは限りません。さらに、売り手の取引量、グループ条件、個人保証、支払実績に基づく条件を買い手が利用できるか確認し、正常収益へ反映します。
飲食店承継:曜日・時間帯・席・商品・チャネルから正常収益を組み直す
月次損益だけでは、ランチと深夜、店内とデリバリー、貸切、観光客、固定客の収益性が分かりません。そこで、POS、予約、決済、シフト、仕入を同じ営業日単位で結びます。
15. 飲食店承継の現場で集める事実と証拠
売上を曜日、時間帯、席、客数、客単価、商品、チャネル、値引へ分解し、原価、廃棄、決済手数料、プラットフォーム手数料、追加人員を対応させます。なお、現金過不足、取消、まかない、オーナー私用も調整根拠を残します。
15. Day1の営業ゲートへ変換する
家賃、共益費、更新料、光熱、修繕、保守、店長・料理人の市場報酬、オーナー業務の代替コストを正常収益へ入れます。つまり、買い手の共同仕入や本部費削減は、現状価値と買い手固有シナジーを分けて示します。
15. 契約前に残す注意書き
一時的な繁忙月を通年化せず、再開発・工事・天候・イベントの影響を注記します。次に、地域名を入れるだけで将来人流を保証せず、複数シナリオで損益分岐を検証します。
飲食店承継:営業継続条件をLOI・最終契約・クロージング証拠へ移す
『許可と賃貸借が引き継げること』という一文だけでは、誰がいつ何を提出し、どの状態で条件達成か分かりません。そのため、保健所、貸主、警察、消防、従業員、決済、設備を個別ゲートへ分けます。
16. 飲食店承継の現場で集める事実と証拠
各ゲートに、必要行為、責任者、期限、費用、第三者、提出書類、受領証拠、不成立時の対応を設定します。また、届出提出、受付、承認・許可、検査、実際の営業可能を区別します。
16. Day1の営業ゲートへ変換する
前提条件、誓約事項、表明保証、特定補償、価格調整、引渡物のどれへ置くかをリスクの解決可能性で選びます。一方、営業空白が生じる場合は、延期、段階開業、運営委託等の代替策を法務・所管と確認します。
16. 契約前に残す注意書き
契約で売り手と買い手の負担を決めても、行政や貸主を拘束できるわけではありません。たとえば、第三者回答を勝手に確約扱いせず、書面・受付・条件を保存します。
飲食店承継:T-90からDay30までを一つの営業再開表で管理する
M&A日程、行政手続、貸主承諾、改装、採用、仕入、予約受付を別々の工程表にすると、最終的な営業可能日が分かりません。ただし、営業時間帯ごとの最低稼働条件を定め、依存関係を結びます。
17. 飲食店承継の現場で集める事実と証拠
さらに、T-90は事実・現況確認、T-60は所管・第三者相談、T-30は申請・届出・契約切替、T-7は現地・システムテスト、Day1は責任者と緊急対応、Day30は差異修正という節目を置きます。
17. Day1の営業ゲートへ変換する
開店判定会議では、行政、賃貸借、消防、人員、食材、設備、決済、予約、顧客表示の担当者が同じチェックリストへ署名します。そこで、一つでも未達なら、営業範囲を縮小する条件と最終判断者を事前に決めます。
17. 契約前に残す注意書き
契約上のクロージング日と、一般客へ営業できる日は同じとは限りません。なお、売上計画、賃金、家賃、在庫、告知を実際の営業可能日へ合わせます。
飲食店承継の営業継続ゲート表
次の表は、部署別チェックリストではなく開店判定のための表です。店舗ごとに、現状、取引後、必要手続、提出・承諾証拠、責任者、期限、未達時の代替案を追加します。『該当なし』には確認先と理由を書き、後の営業時間・用途変更で再評価できるようにします。
飲食店承継の行政・契約ゲート
| 営業ゲート | 確認する事実 | 必要な実行 | 完了判定の注意 |
|---|---|---|---|
| 食品営業 | 名義、番号、制度区分、業種、施設、譲渡日 | 渋谷区保健所への事前相談資料と届出・申請 | 届出提出と営業可能の確認を区別 |
| 賃貸借 | 契約、覚書、用途、期間、譲渡・転貸、変更支配 | 貸主承諾・再契約・保証条件 | 秘密保持と承諾リードタイム |
| 深夜営業 | 営業時間、酒類、接客、遊興、地域、構造 | 警察への該当性・必要手続確認 | 営業類型を自己判断しない |
| 消防 | 用途、収容人員、工事、設備、防火管理 | 工事・使用開始・選任等の届出確認 | 居抜きでも現況を相談 |
| 従業員 | 雇用主、条件、シフト、資格、本人意向 | 説明、個別承諾、契約・保険手続 | 真意による承諾と不利益変更 |
| 厨房・造作 | 所有、リース、残置、状態、撤去 | 引渡確認・第三者承諾・代替設備 | 造作一式の曖昧表示を避ける |
| 予約・前受 | 未消化額、顧客、期限、返金、提供原価 | 債務承継・顧客通知・基準日精算 | 現金と履行義務を両建て |
| 決済 | 加盟店、端末、口座、保留金、チャージバック | 審査・口座変更・テスト決済 | 旧口座入金の回収手順 |
飲食店承継の人・設備・顧客ゲート
| 営業ゲート | 確認する事実 | 必要な実行 | 完了判定の注意 |
|---|---|---|---|
| デリバリー | 店舗アカウント、メニュー、端末、入金、評価 | 運営者の変更手続とテスト注文 | ログイン共有だけで済ませない |
| 仕入・保守 | 発注、与信、貸与物、保証金、緊急連絡 | 継続・再契約・代替・一時在庫 | 売り手条件の継続を仮定しない |
| 屋号・素材 | 商標、写真、ロゴ、メニュー、レシピ、BGM | 譲渡・許諾・追加同意・使用停止 | 媒体・期間・改変範囲を分ける |
| 近隣・建物 | 苦情、騒音、臭気、ごみ、看板、館内規則 | 約束・改善措置・連絡窓口の引継ぎ | 法定義務だけで関係を評価しない |
| 税務・会計 | 前受、在庫、保証金、固定資産、消費税等 | 基準日残高・価格調整・申告確認 | 記事で個別税務を断定しない |
| 保険 | 施設賠償、PL、休業、事故・請求履歴 | 補償開始・旧事故・証券切替 | 無保険時間を作らない |
| 顧客表示 | 屋号、運営会社、規約、価格、営業時間、連絡先 | Web・店頭・予約・領収書の同期 | 表示変更前後の責任を明確化 |
売り手が用意し、買い手が照合する資料30項目
すべてを初回打診で外部へ開示する必要はありません。匿名概要、NDA後、意向表明後、独占交渉後で開示範囲を分けます。従業員・顧客の個人情報、暗証・回復情報、詳細レシピは必要性と安全管理を確認して取り扱います。
飲食店承継:営業主体と食品営業の資料
- 1. そのため、営業許可書・届出控え・変更履歴・施設図面。資料の基準日、対象店舗、原本所在、作成者、未提出理由を付け、単なるファイル名の一覧にしません。
- 2. また、食品衛生責任者の資格資料と勤務予定。資料の基準日、対象店舗、原本所在、作成者、未提出理由を付け、単なるファイル名の一覧にしません。
- 3. 一方、衛生管理計画、温度・清掃・検便・教育記録。資料の基準日、対象店舗、原本所在、作成者、未提出理由を付け、単なるファイル名の一覧にしません。
- 4. たとえば、食中毒・異物・アレルゲン・苦情・回収の履歴。資料の基準日、対象店舗、原本所在、作成者、未提出理由を付け、単なるファイル名の一覧にしません。
- 5. ただし、賃貸借契約、覚書、館内規則、保証会社資料。資料の基準日、対象店舗、原本所在、作成者、未提出理由を付け、単なるファイル名の一覧にしません。
貸主・賃貸借を確認する飲食店承継の資料
- 6. さらに、保証金・敷金残高、家賃支払、更新・再開発協議。資料の基準日、対象店舗、原本所在、作成者、未提出理由を付け、単なるファイル名の一覧にしません。
- 7. そこで、厨房・造作・空調・排気・看板の所有台帳。資料の基準日、対象店舗、原本所在、作成者、未提出理由を付け、単なるファイル名の一覧にしません。
- 8. なお、リース・レンタル・保守契約と支払残高。資料の基準日、対象店舗、原本所在、作成者、未提出理由を付け、単なるファイル名の一覧にしません。
- 9. つまり、消防届出控え、消防計画、点検報告、現況図面。資料の基準日、対象店舗、原本所在、作成者、未提出理由を付け、単なるファイル名の一覧にしません。
- 10. 次に、深夜酒類提供等の届出・変更・廃止に関する資料。資料の基準日、対象店舗、原本所在、作成者、未提出理由を付け、単なるファイル名の一覧にしません。
厨房設備・消防を確認する飲食店承継の資料
- 11. そのため、従業員名簿、雇用契約、賃金台帳、シフト、資格。資料の基準日、対象店舗、原本所在、作成者、未提出理由を付け、単なるファイル名の一覧にしません。
- 12. また、有休、残業、社会保険、労使協定、労務相談履歴。資料の基準日、対象店舗、原本所在、作成者、未提出理由を付け、単なるファイル名の一覧にしません。
- 13. 一方、外国人従業員の在留資格・従事業務の確認資料。資料の基準日、対象店舗、原本所在、作成者、未提出理由を付け、単なるファイル名の一覧にしません。
- 14. たとえば、POS商品マスタ、日次売上、取消・値引・現金過不足。資料の基準日、対象店舗、原本所在、作成者、未提出理由を付け、単なるファイル名の一覧にしません。
- 15. ただし、予約台帳、貸切、デポジット、前受、回数券、ポイント。資料の基準日、対象店舗、原本所在、作成者、未提出理由を付け、単なるファイル名の一覧にしません。
従業員・仕入を確認する飲食店承継の資料
- 16. さらに、カード・QR決済の契約、入金、保留・チャージバック。資料の基準日、対象店舗、原本所在、作成者、未提出理由を付け、単なるファイル名の一覧にしません。
- 17. そこで、デリバリー各社の契約、端末、メニュー、入金明細。資料の基準日、対象店舗、原本所在、作成者、未提出理由を付け、単なるファイル名の一覧にしません。
- 18. なお、主要仕入先、発注、価格、リベート、与信、貸与物。資料の基準日、対象店舗、原本所在、作成者、未提出理由を付け、単なるファイル名の一覧にしません。
- 19. つまり、酒販、氷、ガス、廃棄物、清掃、害虫、リネン契約。資料の基準日、対象店舗、原本所在、作成者、未提出理由を付け、単なるファイル名の一覧にしません。
- 20. 次に、メニュー原価、棚卸、廃棄、まかない、在庫評価。資料の基準日、対象店舗、原本所在、作成者、未提出理由を付け、単なるファイル名の一覧にしません。
予約・決済を確認する飲食店承継の資料
- 21. そのため、電気・ガス・水道、通信、電話、Wi-Fiの契約。資料の基準日、対象店舗、原本所在、作成者、未提出理由を付け、単なるファイル名の一覧にしません。
- 22. また、屋号、商標、ロゴ、写真、動画、メニュー素材の権利。資料の基準日、対象店舗、原本所在、作成者、未提出理由を付け、単なるファイル名の一覧にしません。
- 23. 一方、ドメイン、メール、予約、地図、口コミ、SNSの管理台帳。資料の基準日、対象店舗、原本所在、作成者、未提出理由を付け、単なるファイル名の一覧にしません。
- 24. たとえば、事故・保険請求、行政照会、近隣苦情、改善履歴。資料の基準日、対象店舗、原本所在、作成者、未提出理由を付け、単なるファイル名の一覧にしません。
- 25. ただし、売上・原価・人件費を曜日時間帯別にした集計。資料の基準日、対象店舗、原本所在、作成者、未提出理由を付け、単なるファイル名の一覧にしません。
収益・前受を確認する飲食店承継の資料
- 26. さらに、修繕、設備更新、原状回復、未払工事の見積。資料の基準日、対象店舗、原本所在、作成者、未提出理由を付け、単なるファイル名の一覧にしません。
- 27. そこで、オーナー個人経費・関連当事者取引の調整表。資料の基準日、対象店舗、原本所在、作成者、未提出理由を付け、単なるファイル名の一覧にしません。
- 28. なお、許認可・貸主・従業員・取引先への説明計画。資料の基準日、対象店舗、原本所在、作成者、未提出理由を付け、単なるファイル名の一覧にしません。
- 29. つまり、クロージング引渡物と現地確認のチェックリスト。資料の基準日、対象店舗、原本所在、作成者、未提出理由を付け、単なるファイル名の一覧にしません。
- 30. 次に、Day1の緊急連絡網、開店判定、代替営業プラン。資料の基準日、対象店舗、原本所在、作成者、未提出理由を付け、単なるファイル名の一覧にしません。
開店前に実施する15の営業継続テスト
手続書類がそろっても、現場が動くとは限りません。次のテストは、担当者の説明ではなく、実際の注文、決済、連絡、現物、証拠を使う設計です。店舗の営業形態に応じて追加し、個別の行政手続や安全基準を代替するものとして使わないでください。
1. 飲食店承継:保健所相談資料テスト
準備:そのため、現営業者と譲受人、許可番号・制度区分、施設、業種、譲渡日、改装・責任者変更を一枚にし、譲渡契約の対象事業と一致させます。
合格条件:また、所管へ前提を説明でき、必要手続、提出時期、追加資料、承継後確認の有無を記録できた状態。
未達時:一方、回答が未確定なら契約に期限と責任者を置き、フル営業日を確約しない。
2. 貸主承諾テスト
準備:たとえば、賃貸借・覚書・保証・館内規則を読み、取引構造、買い手概要、用途、工事、保証条件を整理します。
合格条件:ただし、承諾・再契約の条件、保証金、賃料、原状回復、工事・看板、発効日が書面で確認できる状態。
未達時:さらに、承諾が遅れる場合の延期、別物件、対象除外を価格・日程へ反映する。
3. 厨房所有権テスト
準備:そこで、現物へ資産番号を付け、固定資産台帳、リース、貸主設備、残置物、工事請求と照合します。
合格条件:なお、中核設備の所有者、残債、保守、故障、譲渡・使用可否、撤去責任を一台ずつ説明できる状態。
未達時:つまり、譲渡不可なら代替機、短期レンタル、メニュー縮小の費用と納期を確保する。
4. 飲食店承継:消防現況テスト
準備:次に、現況図面と用途、収容人員、厨房火気、避難経路、消防設備、防火管理者、点検を確認します。
合格条件:そのため、工事・使用開始・防火管理等の必要手続と期限を管轄消防署へ確認し、開店判定表へ入れた状態。
未達時:また、未達なら客席・営業時間・工事範囲を縮小する可否を消防署へ確認する。
5. 深夜営業テスト
準備:一方、営業時間、酒類売上、接客、遊興、音響、客の行為、地域、現在の届出を整理します。
合格条件:たとえば、取引前後の営業類型と必要な開始・変更・廃止等の手続を管轄警察署・専門家へ確認できた状態。
未達時:ただし、深夜帯だけを後日開始できるシフト・予約・売上計画を作る。
6. スタッフ配置テスト
準備:さらに、営業時間帯・持場・スキル別に必要人数を作り、承継予定者の意思、条件、資格、退職予定へ重ねます。
合格条件:そこで、各営業帯に店長・料理・ホール・衛生責任の最低人数が配置され、説明・同意・契約が完了した状態。
未達時:なお、不足時は席数、メニュー、営業時間を減らし、無理な長時間労働で補わない。
7. 飲食店承継:食材発注テスト
準備:つまり、主要食材、酒、氷、ガス、包材、最低ロット、締支払、貸与物、緊急発注を確認します。
合格条件:次に、新主体で発注・納品・検品・請求でき、初週在庫と賞味期限、保管場所が確定した状態。
未達時:そのため、代替仕入先と暫定メニューを決め、売り手名義での無断発注を続けない。
8. 予約移行テスト
準備:また、予約、貸切、コース前受、アレルギー、席、キャンセル条件を基準日時点で抽出します。
合格条件:一方、新旧台帳の件数・金額が一致し、次回連絡、提供・返金責任、顧客窓口が予約ごとに決まった状態。
未達時:たとえば、不一致は予約受付を一時制限し、顧客への個別確認を優先する。
9. 決済テスト
準備:ただし、カード・QR・現金、端末、加盟店、入金口座、保留金、チャージバック、取消権限を確認します。
合格条件:さらに、少額の注文、取消、返金、締処理、レシート、銀行入金を新主体の環境で通せた状態。
未達時:そこで、旧口座へ入った場合の回収・精算担当を決め、現金だけで開店するかを事前承認する。
10. 飲食店承継:POS・厨房連携テスト
準備:なお、商品マスタ、価格、税区分、席、プリンタ、キッチン表示、在庫、日次締めを複数注文で試します。
合格条件:つまり、店内・テイクアウト・デリバリーの注文が正しい厨房・会計へ届き、取消・値引履歴も残る状態。
未達時:次に、紙伝票の暫定手順、後入力、現金過不足の責任者を訓練しておく。
11. デリバリーテスト
準備:そのため、運営者、店舗、メニュー、価格、在庫、営業時間、端末、入金、評価・問い合わせを確認します。
合格条件:また、運営者の公式変更・審査が完了し、テスト注文、取消、返金、入金予定を確認できた状態。
未達時:一方、プラットフォームごとに開始日をずらし、受注不能を店内営業へ波及させない。
12. 緊急事故テスト
準備:たとえば、食中毒疑い、異物、火災、設備停止、停電、個人情報誤送信、顧客けがを机上演習します。
合格条件:ただし、誰が営業停止、保健所・消防・保険・貸主へ連絡し、記録・顧客対応を行うか時間内に実行できる状態。
未達時:さらに、連絡先不通や権限不足をDay1前に直し、旧責任者だけに依存しない。
13. 飲食店承継:顧客表示テスト
準備:そこで、店頭、Web、予約、デリバリー、地図、SNS、レシートの屋号、運営者、価格、時間、連絡先を一覧化します。
合格条件:なお、同じ日時に表示が切り替わり、旧情報からも一定期間正しい窓口へ誘導できる状態。
未達時:つまり、更新不能媒体は削除・訂正依頼と顧客案内を行い、放置しない。
14. 締日棚卸テスト
準備:次に、食材、酒、包材、消耗品、現金、前受、売掛、買掛、保証金、貸与物を基準日で数えます。
合格条件:そのため、売り手・買い手が同じ数量・評価方法・写真へ合意し、価格調整・引渡確認へ反映した状態。
未達時:また、不一致は推定で埋めず、保留額、後日精算、廃棄・所有権を契約で決める。
15. 開店判定テスト
準備:一方、行政、貸主、消防、警察、人員、設備、仕入、予約、決済、顧客表示の証拠を一会議へ集めます。
合格条件:たとえば、必須ゲートが緑で、黄色項目の限定営業・責任者・期限が承認され、緊急連絡が機能する状態。
未達時:ただし、経営者の希望だけで赤項目を上書きせず、延期・縮小を実行する。
飲食店M&Aで見落としやすい12のレッドフラッグ
レッドフラッグは直ちに取引中止を意味しません。修復できるか、第三者の判断が必要か、営業空白・費用・顧客影響がどれほどかを調べ、価格、前提条件、誓約、補償、Day1のどこで扱うかを決めます。
1. 飲食店承継:許可証はあるが現況図面がない
設備・営業内容が許可時から変わった可能性を確認します。そのため、Webメニュー、工事請求、厨房写真、行政照会を集め、譲渡案とともに保健所へ事前相談します。許可証の存在だけで承継可能・営業適法と結論付けません。
2. 貸主には成約後に伝える予定
譲渡・転貸・変更支配・保証・工事条項と秘密保持を読み、承諾が取れない場合の取引価値を試算します。また、遅過ぎる通知で営業不能にならないよう、LOI・独占交渉のどこで相談するかを弁護士と決めます。
3. 厨房一式を売買目録へ一行で記載
貸主、リース、レンタル、前テナント残置、売り手所有を現物単位で分けます。一方、型番、写真、状態、残債、保守、撤去責任を記載し、譲渡できない中核設備の代替費用を価格へ反映します。
4. 飲食店承継:深夜売上が高いのに届出資料が不明
営業実態、営業時間、酒類、接客、遊興、音響、地域を整理し、管轄警察署・専門家へ確認します。たとえば、届出の有無だけでなく、名義・営業方法・変更履歴と現在のWeb表示を突合します。
5. 消防点検はビル側に任せている
建物全体の管理とテナント側の使用開始・工事・防火管理・設備の責任を分けます。ただし、貸主・管理会社資料だけで完了せず、店舗現況と管轄消防署の必要手続を確認します。
6. 店長がスタッフ全員は残ると言っている
本人の意思、労働条件、雇用主、説明時期を確認します。さらに、事業譲渡では個別承諾と十分な説明を踏まえ、同意しない場合の扱いを不利益で迫りません。配置表と代替営業も作ります。
7. 飲食店承継:前受金は少額なので集計していない
予約・貸切・回数券・商品券・ポイント・クラウド特典を全チャネルから抽出します。そこで、少額でも件数が多ければ顧客対応負担が大きく、資金決済法等の確認が必要な場合もあるため、仕組みと残高を専門家へ示します。
8. 決済端末は同じものを使える予定
端末所有と加盟店契約、入金口座、審査、変更手続を確認します。なお、物理端末が動いても新主体の売上として正しい口座へ入るとは限りません。テスト決済・取消・返金・入金まで通します。
9. 口コミとSNSはパスワードを渡すだけ
各サービスの規約、組織・店舗オーナー変更、二要素認証、回復先、旧管理者削除、顧客情報を確認します。つまり、個人アカウント依存なら正式移管や新規開設の選択肢を運営者へ相談します。
10. 飲食店承継:高い売上月を12倍して価格算定
曜日・時間帯・席・商品・チャネルへ分解し、イベント、工事、天候、団体予約等の一時要因を除きます。次に、原価、人員、決済・媒体手数料を対応させ、通常月と下振れ月の損益分岐を示します。
11. 譲渡後すぐ全面改装する
地位承継の前提、食品営業の施設基準、消防、賃貸借工事区分、看板、営業空白を確認します。そのため、M&Aと改装を別案件にせず、図面、工事、行政相談、検査、開店を一つの工程へ置きます。
12. 契約締結日を開店日として告知済み
契約発効と行政・貸主・人員・決済の完了は別です。また、開店判定ゲートを再確認し、延期・限定営業の顧客告知、予約対応、賃金・家賃・在庫への影響を準備します。確定していない日を保証表現で公表しません。
T-90からDay30までの営業継続ロードマップ
T-90〜T-61:現況と名義を確定する
許可、賃貸借、消防、深夜営業、設備、人員、前受、決済、仕入の台帳を作り、法人・店舗・名義を統一表へ置きます。店舗図面と現況、Webメニューと許可業種、固定資産台帳と厨房現物を照合します。取引スキーム案と変更予定を一枚にし、保健所・貸主・各所管へ相談する順を決めます。
T-60〜T-31:第三者条件と不成立時の選択肢を取る
保健所への事前相談、貸主の承諾条件、警察・消防の必要手続、決済・プラットフォームの名義変更日数を確認します。従業員説明資料を作り、事業譲渡で承継予定なら個別承諾の工程を置きます。重要な承諾が得られない場合の延期・再契約・限定営業を比較します。
T-30〜T-8:提出・契約・在庫を同期する
行政・契約手続を実行し、食材・酒・消耗品の最終発注、棚卸方法、基準日精算を決めます。予約・回数券・ポイントの未消化データを抽出し、顧客表示と問い合わせ対応を準備します。厨房・端末・鍵・アカウントの引渡物を現物番号で確定します。
T-7〜Day0:実地テストと開店判定を行う
テスト注文、決済、取消・返金、予約、プリンタ、キッチン表示、電話、緊急連絡を通します。食材納品、廃棄物回収、清掃、ガス・電気、設備保守の稼働を確認します。開店判定会議でゲート証拠を確認し、未達なら予定した限定営業へ切り替えます。
Day1〜Day30:差異と顧客影響を閉じる
旧口座入金、予約漏れ、請求差、仕入条件、スタッフ離職、設備故障、苦情を日次で記録します。保健所その他の承継後確認や追加資料に対応し、Web・店頭・領収書の運営者表示を突合します。正常収益と実績の差を、取引条件・PMI計画へ戻します。

関係者別に変える10の説明設計
秘密保持のため説明を遅らせ過ぎると、承諾・審査・シフトが間に合いません。一方、同じ資料を全員へ送ると、機微情報の流出と誤解を招きます。相手の判断に必要な情報、契約上の期限、説明可能な確度を分けます。
1. 飲食店承継:保健所への相談
『事業譲渡を予定しています』だけでなく、現営業者・譲受人、許可番号、施設、業種、譲渡日、改装、責任者・メニュー変更を一枚にして示します。そのため、回答は前提と日付を記録し、契約案や工程が変われば再確認します。
2. 貸主・管理会社への説明
買い手概要、取引構造、用途・営業時間、工事、保証、緊急連絡を整理します。また、価格や従業員情報を必要以上に開示せず、貸主が判断するために必要な資料と秘密保持を弁護士と決めます。承諾条件は書面で残します。
3. 警察署への確認
深夜酒類、接待・遊興、音響、客の行為、地域、名義・営業方法変更を事実として説明します。一方、自己判断した営業類型を前提に質問せず、現在と取引後の違い、開店予定、必要書類と時期を確認します。
4. 飲食店承継:消防署への確認
建物・階・区画、用途、収容人員、厨房火気、設備、工事、使用開始、防火管理者を図面と写真で示します。たとえば、貸主側・テナント側の届出を分け、検査や使用可能時期を開店判定へ反映します。
5. 従業員への説明
取引理由、譲受会社、雇用主、仕事、勤務地、賃金・シフト、開始日、福利厚生、相談先、同意手続を明確にします。ただし、価格や他者の個人情報を話さず、質問を記録し、回答が未確定なら期限を示します。
6. 仕入先・保守会社への説明
新名義、発注・請求、支払条件、貸与物、保証金、開店日、緊急連絡を伝えます。さらに、既存条件の継続を当然とせず、与信・再契約の必要日数を確認し、代替調達が必要な期限を工程へ入れます。
7. 飲食店承継:予約顧客への説明
屋号・運営者変更、予約日時・内容・価格、前受金、取消・返金、アレルギー情報、連絡先がどう扱われるかを分かりやすく示します。そこで、法的表現だけでなく、顧客が次に何をすべきかを明記します。
8. 一般顧客への公表
店頭、Web、地図、SNS、予約、デリバリー、レシートの更新日時をそろえます。なお、『新体制で必ず改善』『スタッフ全員継続』など確定していない約束を避け、営業時間・休業・問い合わせ先を優先します。
9. 事故・苦情時の説明
事実、対象商品・日時、健康・安全、営業停止、所管・保険連絡、顧客対応を責任者が承認します。つまり、M&A前後の責任を顧客へ押し付けず、契約上の負担と対外対応を分け、記録と再発防止を残します。
10. 飲食店承継:金融機関・決済会社への説明
運営者、代表者、口座、加盟店、実質的支配者、入金、チャージバック、端末を必要書類とともに更新します。次に、審査完了前に新名義で利用できると公表せず、旧口座入金の精算と無決済時の代替を決めます。
価格交渉の前に再構成する8つの店舗経済
飲食店の企業価値を一つの倍率だけで決めず、営業継続条件が正常収益へどう影響するかを示します。売り手に都合のよい月だけ、買い手の将来シナジーだけを使わず、下振れ時の固定費と営業縮小も計算します。
1. 飲食店承継:曜日・時間帯
月曜ランチ、金曜深夜などへ分け、客数・客単価・席回転・滞在・人員を対応させます。そのため、営業時間短縮や深夜開始遅延の影響を、月売上の単純比ではなく営業帯別に試算します。
2. 商品・メニュー
主力料理、酒、コース、テイクアウトごとに売価、食材原価、廃棄、調理時間、厨房ボトルネックを確認します。また、高売上でも低粗利・高工数の商品を価値の中心と誤解しません。
3. 飲食店承継:販売チャネル
店内、予約、デリバリー、貸切、ケータリングで、手数料、人員、包材、キャンセル、入金日を分けます。一方、デリバリー売上を店内売上と同じ粗利で評価しません。
4. 人件費
給与だけでなく社会保険、残業、深夜割増、採用、教育、まかない、代替要員を含めます。たとえば、オーナーや家族の無償労働を、買い手が必要とする市場報酬へ置き換えます。
5. 飲食店承継:家賃・建物費
賃料、共益、更新、保証、看板、倉庫、原状回復、工事、再開発影響を分けます。ただし、保証金を収益とせず、返還条件と基準日精算を確認します。
6. 設備費
減価償却だけでなく、リース、保守、修繕、故障停止、更新、撤去・搬出を見ます。さらに、簿価ゼロでも営業に不可欠な設備、簿価があっても使えない設備を分けます。
7. 飲食店承継:前受・履行義務
予約金、回数券、商品券、ポイント、貸切前受を未消化件数・額・提供原価で把握します。そこで、基準日現金だけでなく、誰がサービス・返金を負担するかを価格調整へ反映します。
8. 下振れシナリオ
貸主承諾、深夜営業、スタッフ、主要仕入、設備、工事が遅れるケースを別々に置きます。なお、複数遅延が重なる場合の限定営業、固定費、在庫廃棄、顧客補償を計算し、資金余力を確認します。
架空ケース:道玄坂の居酒屋で営業空白を回避する
飲食店承継の架空前提と営業主体図
以下は実在店舗や実際の成約実績ではなく、論点を理解するための架空例です。渋谷区道玄坂で夕方から深夜まで営業する居酒屋B店を、別法人が事業譲渡で取得したいとします。店は店内飲食とデリバリーを行い、貸切予約、コース前受、スタッフ20名、厨房リース、深夜酒類提供に関する届出を持つという前提です。
当事者は最初に譲渡日を決めず、金曜深夜営業を含めて何月何日から新主体で営業するかを置きます。現営業者、譲受法人、許可番号・制度区分、賃貸借、深夜営業、消防、雇用主、決済口座をDay1営業主体図にします。渋谷区保健所には譲渡範囲、施設変更なし、メニュー、責任者変更予定を示して事前相談します。
貸主との契約には譲渡・転貸制限と保証会社条件があり、厨房の一部はリース会社所有でした。そこで貸主承諾、保証審査、リース承継をクロージング前提条件に分けます。『造作一式』という売買目録をやめ、型番・写真・所有者・残債・保守先を付けます。
飲食店承継で従業員・予約・Day1を同期する
スタッフは自動的に移ると説明せず、厚生労働省の事業譲渡等指針を踏まえて、譲受会社、業務、勤務地、賃金、シフト、開始日、相談先を個別に説明します。店長と料理長が残れない場合の縮小メニューも用意します。従業員情報の開示は必要範囲と段階を決めます。
予約台帳を調べると、譲渡後二週間に貸切が三件あり、前受金は売り手口座へ入金済みでした。契約では、その一覧を基準日に確定し、売り手から買い手へ履行費用相当を精算し、買い手が料理提供・取消・返金を担当する設計とします。実際の金額・税務は専門家が確認します。
Day1前には、決済の新口座、デリバリーの運営者変更、予約の受付、テスト注文、返金、厨房プリンタ、緊急連絡を通します。必要手続が完了しない深夜帯だけを一時停止する代替案も顧客告知と人員表へ反映します。取引成立とフル営業開始を同じ言葉で扱わないことが、この架空例の要点です。
飲食店承継のよくある質問
事業譲渡でも飲食店営業許可を必ず取り直しますか。
2023年12月13日以降、食品衛生法には営業の事業譲渡による地位承継制度があります。そのため、ただし、届出だけで足りるか、新規申請・変更等が関係するかは、営業の同一性、施設・設備、業種、譲渡範囲、旧新制度等で確認が必要です。渋谷区案内も予定時の事前相談を求めています。
株式譲渡なら保健所や貸主への確認は不要ですか。
法人が同一でも、代表者、商号、屋号、食品衛生責任者、施設、営業内容の変更届や、賃貸借の変更支配・代表者保証等が関係する場合があります。また、『株式だけが変わる』という取引説明と、実際の運営変更を分けて所管・貸主へ確認します。
居抜きで設備を変えなければ消防手続は不要ですか。
一律には言えません。一方、東京消防庁は防火対象物の新規使用、工事、用途変更等に関する届出を案内しています。建物全体、用途、収容人員、設備、防火管理、実際の変更を示して管轄消防署へ事前確認してください。
深夜に酒を出す店の届出はそのまま引き継げますか。
営業類型、取引スキーム、名義・代表者・営業方法の変更により必要手続が変わり得ます。たとえば、深夜酒類提供飲食店営業と、接待・遊興等を伴う別類型を混同せず、警視庁公式様式を入口に管轄警察署・専門家へ個別確認します。
賃貸人の承諾はいつ取ればよいですか。
契約条項、秘密保持、買い手の与信、保証条件、取引確度で適切な時期が変わります。ただし、遅いと営業日程が崩れ、早いと情報漏えいが生じます。LOI前後のどこで、誰が、どの資料を示し、何を承諾してもらうかを弁護士と設計します。
アルバイトも事業譲渡で自動的に移りますか。
事業譲渡における労働契約の承継は、厚生労働省指針が個別承諾と十分な説明を示しています。さらに、雇用形態だけで自動承継と決めず、譲受会社、仕事、勤務地、労働条件、開始日等を説明し、社会保険労務士・弁護士へ確認します。
予約金や回数券は売上として売り手が受け取れますか。
会計上の表示だけでなく、将来のサービス提供・返金義務を確認します。そこで、基準日時点の未消化額、顧客、期限、提供原価を把握し、誰が履行・返金するか、対価・価格調整を最終契約で定めます。資金決済法等の該当性も仕組みに応じて確認します。
口コミサイトやSNSアカウントも譲渡できますか。
サービスの利用規約、契約名義、本人性、管理権限、変更手続で判断が変わります。なお、ログイン情報を渡すだけの移管は避け、運営者の公式手続、顧客情報、二要素認証、回復先、旧管理者削除まで確認します。評価を自由に売買できる資産とは断定しません。
飲食店の価格は営業利益の何倍ですか。
一律の倍率では決まりません。つまり、賃貸借の継続、許認可、設備状態、人員、曜日時間帯別収益、前受債務、修繕・原状回復、オーナー依存、買い手シナジー等で変わります。計算方法だけでなく、営業を再現できる証拠を揃えます。
この記事のチェックリストで開店を保証できますか。
できません。次に、本稿は論点整理です。食品営業、警察、消防、賃貸借、労働、税務、個人情報、資金決済等は店舗条件とスキームで異なります。住所、図面、許可、契約、営業方法、日程を示して各所管と資格専門家へ確認してください。
飲食店承継を開店可能性へ変える10の実務演習
次の演習では、書類の有無を実際の営業判断へ変えます。まずは一店舗、一営業帯、一基準日で試してください。そのうえで、複数店舗や改装計画へ範囲を広げます。
1. 飲食店承継:営業主体図を一枚にする
まず、現営業者、譲受人、店舗、許可、賃貸借、雇用、決済口座を線で結びます。次に、株式譲渡と事業譲渡の各案を左右へ並べます。名義が同じ項目と変わる項目を色で分けると、相談先が明確になります。
たとえば、法人が残っても代表者や食品衛生責任者が変わる場合があります。そのため、変更予定を所管へ示します。一方、事業譲渡でも地位承継制度の対象や必要資料は個別確認し、届出だけで必ず営業できるとは断定しません。
2. 飲食店承継:賃貸借の承諾条件を試算する
最初に、譲渡、転貸、変更支配、用途、営業時間、工事、保証、原状回復を抜粋します。また、保証金と追加保証を資金表へ入れます。貸主へ話したという記憶ではなく、誰が何を承諾したかを書面で確認します。
ただし、承諾交渉が遅れると開店日は動きます。そこで、審査日数、追加資料、再契約の発効日を工程へ置きます。承諾が取れない場合は別物件、株式譲渡案、取引延期の費用を比較します。
3. 飲食店承継:深夜帯だけの営業ゲートを作る
まず、日中、夕方、深夜を別の営業帯として定義します。次に、酒類、主食、接待・遊興、音響、客の行為、現在の届出を整理します。店舗全体が開けるかではなく、各時間帯で何を提供できるかを判定します。
たとえば、深夜帯の必要手続が間に合わない場合があります。そのため、ランチとディナーだけで始める損益を試算します。一方、営業類型は自己判断せず、事実と取引後の変更を管轄警察署や専門家へ示します。
4. 飲食店承継:消防と厨房工事を同じ図面で確認する
はじめに、避難経路、収容人員、火気、排気、ガス、電気、消防設備を現況図へ記します。さらに、改装箇所と貸主工事区分を重ねます。工事なしという計画でも、運営や人数の変更を含めて確認します。
そのうえで、届出、工事、検査、使用開始の順を管轄消防署へ相談します。また、追加工事が必要な場合の休業日数と費用を価格へ戻します。厨房だけを見て避難や建物全体の条件を落としません。
5. 飲食店承継:設備の営業停止リスクを測る
まず、設備を金額順ではなく営業影響順に並べます。次に、所有者、型番、保守、故障、部品期限、代替方法を記録します。簿価ゼロでも冷蔵庫や排気が止まれば、主力メニューを提供できません。
たとえば、リース会社の承継審査が未完了なら引渡し後に使えない可能性があります。そのため、契約移管と現物テストを別ゲートにします。代替調理、メニュー縮小、臨時レンタルの費用も事前に見積もります。
6. 飲食店承継:従業員説明とシフトを同期する
最初に、雇用主、職務、賃金、勤務地、開始日、社会保険、相談先を説明資料へまとめます。また、店長、料理長、食品衛生責任者の在否を営業帯別シフトへ落とします。残るだろうという期待だけで開店判定を通しません。
一方、事業譲渡では労働契約承継について個別説明と承諾の工程を確認します。そのため、本人質問と回答期限を記録します。必要人数を下回る場合は、席数、メニュー、営業時間を縮小する案を用意します。
7. 飲食店承継:仕入と在庫を基準日で切る
まず、食材、酒、消耗品を賞味期限、所有者、発注、納品、支払で分類します。次に、基準日前後の棚卸と廃棄を同じ手順で実施します。帳簿数量だけでなく、冷蔵・冷凍庫の現物とロットを確認します。
たとえば、旧会社名義の発注がクロージング後に届くことがあります。そこで、受領、返品、支払、税務処理の担当を決めます。また、主要仕入先の与信が未了なら、代替食材と限定メニューを準備します。
8. 飲食店承継:予約と前受金を一件ずつ引き継ぐ
はじめに、予約サイト、電話、SNS、店頭、貸切台帳から基準日後の予約を抽出します。さらに、前受額、取消条件、アレルギー、提供原価を付けます。件数と残高が合うか、決済・銀行とも照合します。
ただし、現金を売り手が受け取ったことと、料理を提供する義務は別です。そのため、履行、返金、顧客連絡、費用精算を契約へ記載します。個人情報と資金決済等の論点は仕組みを示して専門家へ確認します。
9. 飲食店承継:曜日・時間帯別の正常収益を作る
まず、月次売上をランチ、ディナー、深夜、デリバリー、貸切へ分けます。次に、食材、人員、媒体・決済手数料、廃棄を対応させます。イベント月だけを年換算せず、通常月と下振れ月を示します。
たとえば、深夜営業の開始が一か月遅れると売上だけでなく深夜人員も変わります。したがって、固定費と変動費を分けます。一方、買い手独自のシナジーは店舗単独収益と別欄にし、価格根拠を透明にします。
10. 飲食店承継:開店判定を実地でリハーサルする
まず、予約、入店、注文、厨房、配膳、決済、取消、返金、領収書までテストします。次に、仕入遅延、端末停止、設備故障、欠員を一つずつ再現します。担当者の口頭説明ではなく、時刻と証拠を記録します。
その結果、未達ゲートがあれば全面開店を強行しません。そこで、開店延期、席数制限、メニュー限定、現金以外停止などの案を選びます。また、顧客告知、従業員シフト、仕入量を同時に更新します。
保健所・警察・消防・貸主・専門家へ確認する境界
渋谷区保健所には食品営業の地位承継、施設・設備・業種・責任者変更と提出順を確認します。管轄警察署には深夜酒類提供や営業類型、名義・営業方法変更の手続を、消防署には用途、工事、使用開始、防火管理、設備を確認します。貸主・管理会社には賃貸借、工事、用途、看板、保証、原状回復を確認します。
弁護士・行政書士等には取引スキーム、行政手続、賃貸借・第三者契約、最終契約を、社会保険労務士・弁護士には労働契約承継・説明・労働条件を、税理士・公認会計士には資産・保証金・前受・在庫・消費税等を確認します。資格と業務範囲を確認し、同じ論点を一人へ丸投げしません。
飲食店承継で第三者へ正確に相談する8つの確認パケット
所管や専門家は、店舗固有の事実がなければ個別の結論を出せません。そこで、電話で『M&Aなら何が必要ですか』と抽象的に尋ねるのではなく、現在と取引後の差分、希望日、未確定事項を同じ資料で共有します。次の型は、資格者の判断や行政の正式案内を代替しません。相談の前提をそろえるために使います。
1. 飲食店承継:保健所への地位承継相談パケット
現営業者と譲受人の名称・所在地、許可番号、営業所住所、営業の種類、事業譲渡の対象、効力予定日、施設図面、設備・メニュー・食品衛生責任者の変更予定を一枚にまとめます。そのため、株式譲渡、事業譲渡、改装を混同せず、どの事実に基づき、どの手続・添付・提出時期が必要かを質問欄にします。相談担当、回答日、回答の前提、追加資料、再確認条件を記録し、口頭回答だけで開店ゲートを完了しません。
2. 貸主・管理会社への承諾パケット
現契約、重要事項、覚書、保証、敷金・保証金、用途、営業時間、看板、工事、譲渡・転貸・変更支配条項を抜粋します。また、さらに、買い手の会社概要、資金、保証案、運営計画を添えます。単なる挨拶ではなく、契約主体変更、株主変更、代表者変更、改装、営業時間変更のどれについて、何を承諾・確認してもらうかを区別します。承諾条件、追加保証、契約書差替え、原状回復の扱いは書面化し、価格条件と開店日へ反映します。
3. 飲食店承継:警察署への営業実態確認パケット
現在と取引後の営業時間、深夜帯の酒類提供、主食、接待・遊興、音響・イベント、客の行為、店舗平面、届出名義、代表者、屋号を比較表にします。一方、『居酒屋だから同じ』など自己分類した結論を伝えるのではなく、事実と変更点を示します。そのうえで、開始・変更・廃止等の必要手続、提出順、営業可能時期を確認します。行政書士等へ依頼するときも、現場責任者が営業実態を確認し、契約書の業種名だけで判断させません。
4. 消防署への使用・工事確認パケット
建物名称、階・区画、用途、収容人員、避難経路、厨房火気、ガス・電気、消防設備、防火管理、内装・看板工事、使用開始予定を図面と写真で示します。たとえば、建物側とテナント側の届出・工事・点検を区分し、貸主の説明と消防署の回答が同じ対象を指すか照合します。工事をしない場合も、運営者、営業時間、人数、設備の変更を示して確認します。また、検査や追加工事のリードタイムを営業空白シナリオへ入れます。
5. 飲食店承継:雇用・シフト承継パケット
従業員ごとに雇用主、雇用形態、職務、勤務地、賃金、残業・深夜、シフト、勤続、休暇、社会保険、在留資格、健康・衛生関連資格、本人説明・意向を必要最小限で整理します。ただし、事業譲渡での個別説明・承諾と、株式譲渡後の労働条件・体制変更を分け、強制的な残留確認をしません。店長・料理長・食品衛生責任者が不在の場合の限定メニュー、席数、営業時間も作り、社会保険労務士・弁護士への質問を具体化します。
6. 前受金・予約・顧客対応パケット
予約、貸切、コース前受、回数券、商品券、ポイント、クラウド特典を販売チャネル横断で抽出します。さらに、顧客、利用日、受領額、未消化、取消条件、返金、提供原価、アレルギー等の要配慮情報を区分します。基準日後に誰が料理・サービスを提供し、取消・返金・苦情を処理し、売り手受領現金をどう精算するかを契約とDay1表へつなぎます。会計表示だけで義務の有無を決めず、仕組みに応じた法務・税務・資金決済上の確認を依頼します。
7. 飲食店承継:設備・造作・リース現物パケット
厨房、冷蔵・冷凍、排気、グリストラップ、空調、給排水、POS、決済端末、什器、音響、看板を現物番号、写真、所有者、取得日、簿価、リース・保守、故障、修繕、撤去条件で一覧化します。そこで、『造作一式』では第三者所有物や営業ボトルネックを識別できません。高額順だけでなく、一台止まれば主力メニューを提供できない設備を優先します。貸主工事区分、メーカー部品期限、代替調理・営業縮小の費用も見積もります。
8. クロージング・開店判定会議パケット
最終契約の前提条件と、行政受付、貸主承諾、従業員、仕入、在庫、鍵、決済、予約、電話、Web表示、緊急連絡の営業ゲートを一枚にします。なお、各項目に必要証拠、責任者、確認者、期限、未達時の限定営業、顧客説明、費用負担を置きます。『提出済み』を合格にせず、店舗が何時から何を提供できるかで判定します。開店可否を決めた議事録、テスト結果、残課題、Day1後の再確認日を保存します。
一次情報と確認日
飲食店承継について、執筆時に確認した公的資料を次に示します。特に渋谷区の様式・案内、警視庁・東京消防庁の手続は更新され得ます。リンクを保存するだけでなく、店舗条件を示した照会記録、回答日、担当部署、前提を案件ファイルへ残します。
- 渋谷区「新制度 変更・廃業・地位承継届について」(2026-08-07更新)
- 厚生労働省「食品衛生法における営業の事業譲渡による地位承継」(2023-12-13施行・2026-08-22確認)
- 厚生労働省「食品衛生法」(2026-08-22確認)
- 警視庁「深夜における酒類提供飲食店営業(様式一覧)」(2025-08-07更新・2026-08-22確認)
- 東京消防庁「防火対象物の使用開始の届出をしよう」(2026-08-22確認)
- 渋谷区「渋谷区特定商業施設の立地調整について」(2026-08-22確認)
- 厚生労働省「企業組織の再編に伴う労使関係」(2026-08-22確認)
- 厚生労働省「事業譲渡等指針の一部改正」(2026-05-25適用)
- e-Gov法令検索「民法」(2026-08-22確認)
まとめ:同じ日に使える権利・人・設備・データをそろえる
飲食店承継では、立地や売上だけでなく、食品を提供できる地位、店舗を使える契約、人員、厨房、深夜帯、消防、仕入、予約、決済が同じ日に機能することが価値の前提です。株式譲渡か事業譲渡かという二択を税だけで選ばず、営業継続ゲートの最長リードタイムから比較します。
売り手は資料を整え、買い手は現場と原始証拠へ戻り、両者は未達時の代替営業を契約前に決めます。所管・貸主の判断を契約で代替せず、提出と営業可能を区別することで、成約後の休業・混乱リスクを小さくできます。

